夏フェスは夏に行われている野外音楽フェスティバルのことです。夏フェスという言葉になじみのない方は、大規模な音楽のお祭りと解釈すると良いかもしれません。何組ものバンドやアーティストが参加して活気あるパフォーマンスを披露してくれます。彼らはサービス精神が旺盛で、ファンと一体になってステージを作り上げます。開催時間が10数時間に及ぶ夏フェスもあり、人目も気にせず長時間音楽で盛り上がりたい人にはもってこいのイベントというわけです。
夏フェスの原点は、1960~70年代のフォークソングブームに遡ります。この時代に数多くのバンドが結成と解散を繰り返しながら、野外ライブをやっていました。しかし、ブームが過ぎ去ると野外ライブは徐々に数を減らし、ほとんど開催されることはなくなりました。それから20年が経ったころ、転機は突然訪れます。1997年のフジロック・フェスティバルの開催から、夏の音楽フェスティバルが再び盛り上がり始め、今では「夏フェス」と呼ばれるほどになりました。
フジロック・フェスティバルについて少し解説したいと思います。誕生した時の会場が富士山からほど近い天神山スキー場だったことから、新潟の苗場スキー場で開催されるようになった今も「フジ」の名が残っています。このイベントのテーマは「自然と音楽の共生」です。大自然の中で音楽、食、アートなどと触れる非日常体験を通して、環境保全や社会について沢山の気づきがあります。来場者・スタッフ・出演者らが協力して創り出す最高の空間を味わう時間は格別です。
フジロックと対照的な位置付けの夏フェスといえば、サマーソニック(サマソニ)があります。どこが対照的なのかというと、サマソニは自然から離れた都市型のフェスなのです。2000年8月に初めて開催されてから毎年行われています。国内外の有名アーティストが多数参加することで知られています。時には世界的な海外アーティストの日本デビューの場となったり、復活ライブが行われたりということもあります。都市で行われるので、参加する際は熱中症対策が必須です。
夏休み前は、「夏の旅行は海にする?それとも、山にする?」という会話が家庭で交わされると思います。どちらも非常に魅力的ですし、子どもがいても楽しめる行き先です。私は選択肢に夏フェスを追加することを提案します。
夏フェスはただの音楽ライブではありません。泊まりですべての日程参加しても飽きないくらいに内容が充実しています。キャンプサイトが用意されているフェスでは、会場近くでキャンプをしながら、音楽ライブ、ウォーキング、アスレチック、グルメ、映画、大道芸などを思う存分楽しめます。まずは日帰りで参加してみて、気に入ったら旅行で出かけてみましょう。
渡辺純子
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