実写をイラスト風に加工する方法とは
今回は、実写素材をイラスト風に加工する方法を紹介します。編集手段の一つとして、まず思いつくのが「画像加工ソフト」でしょう。たしかに画像加工ソフトなら、色彩の調整やディティールの追加、合成などの機能を使い、実写素材をイラスト風に加工できます。
しかしイラスト風素材を使って動画にする場合となると、さらに動画編集ソフトでの処理が必要です。そんな処理を1台で解決できる動画編集ソフト「Filmora」を紹介。実写をイラスト風に加工できる方法を紹介します。
Part1:色彩を整える方法
最新バージョン登場!Filmora X(フィモーラ)
- エフェクト、画像編集、動画カット/結合、動画トリミング、動画テロップ挿入、音声調整
- キーフレーム、モーショントラッキング、クロマキー合成、タイトル挿入、字幕編集
- PIP(画面分割)、無音検出アドオン、ARステッカー、AIポートレート
- ローカル、デバイス、ウェブサイトとDVDの四つの方式で動画を出力できる
実写をイラスト風に加工する方法として、まずは「色彩」を整えておきましょう。
Step1.実写動画「街」をタイムラインに追加する
実写動画「街」をタイムライン上に追加しましょう。Filmoraの画面下部にドラッグ&ドロップします。タイムラインクリップ「街」として表示されると成功です。
Step2.「高度色彩補正」を開く
「高度色彩補正」は明るさや彩度など、高度な編集をするときに使用する機能です。ビデオクリップ「街」をダブルクリックします。「色」タブから「高度編集」を選択すると、「高度色彩補正」が表示。さらに「調整する」を選択すると、手動で編集できます。
Step3.「カラーエンハンス」を調整する
「カラーエンハンス」から、全体の明るさを調整できます。「値」を高くするほど、全体が明るく表示。「しきい値」は「5」、または「オート」がおすすめです。
Step4.「色」を調整する
「色」を調整すると全体の色彩、つまり色味の強弱が変化します。「鮮やかさ」と「彩度」の数値を高くし、色鮮やかな写真にしましょう。
Step5.「ライト」を調整する
「ライト」はハイライトや影、ホワイトバランスを調整する機能です。エフェクトを追加するとさらに明るく表示されるため、明るくする場合は少し抑えて調整すると良いでしょう。「ハイライト」「影」「ホワイト」「ブラック」をそれぞれ調整します。
Step6.「HSL」を調整する
「HSL」を使用すると、色味のバランスを調整できます。もしも実写動画「街」が、木々の並んだ自然あふれる風景とした場合、「緑色」の「色相」を上げましょう。動画内の「緑色」が「青色」寄りに変化。この調整により「黄色」が目立つことがあります。そんなときは、次に「黄色」の色相や彩度を調整しましょう。
今回は例をもとに解説しているため、実際は素材を見ながら調整する方法がおすすめです。また「ライト」と同じく、エフェクトにより明るくなる可能性があります。「明るさ」は加減して調整しましょう。
Part2:ディティールを追加する方法
実写をイラスト風に加工する方法です。イラスト風にするために3つのエフェクトを利用。「色補正を完了させる」「ぼかす」「輪郭を強調する」の順に加工するイメージです。それぞれ段階を追って解説します。
3つのエフェクトは別タイムラインに追加せず、ビデオクリップ「街」に直接追加しましょう。後の工程でクリップを複製します。同じ作業の手間やミスを防ぐのに効果的です。
Step1.エフェクト「ブラー2」を追加
「エフェクト」タブから「フィルター」、「コモン」の順に選択。「ブラー2」を追加しましょう。ぼかしが強く感じる場合は、クリップをダブルクリックします。「ビデオ」タブから「ビデオエフェクト」を選択。「ブラー2」にある「アルファ」の数値を調整すると、ぼかしを調整できます。
Step2.エフェクト「ウォッシュ」を追加
Step1と同じ手順で、「マテリアル」内にあるエフェクト「ウォッシュ」を追加しましょう。「ビデオエフェクト」にある「アルファ」で調整可能です。
Step3.タイムラインクリップ「街」を複製する
ビデオクリップ「街」を複製します。右クリックから「複製」を選択。複製元と重なるように、別タイムライン上に移動させましょう。複製したビデオクリップ「街」は、「ビデオエフェクト」から「ウォッシュ」を削除しておきます。
Step4.エフェクト「スケッチ」を追加する
複製したビデオクリップ「街」を編集します。Step1と同じ手順で、「マテリアル」内にあるエフェクト「スケッチ」を追加。輪郭線が抽出されます。クリップをダブルクリックし、「ビデオ」タブを開きましょう。「合成」から描画モードを「乗算」に、不透明度を調整すると、イラスト風ディティールの完成です。
Part3:空を合成-仕上げ
素材が完成したら、いよいよ合成作業です。イラスト「空」をタイムラインに追加し、自然な1枚絵になるよう調整しましょう。
Step1.「イメージマスク」を追加する
「エフェクト」タブの「ユーティリティ」から、「イメージマスク」を「空」に追加します。今回は動画内の空を合成するため、境界線がぼけるように調整しましょう。さらに「変形」タブから、位置や大きさを調整します。
Step2.キーフレームを設定する
「街」のカメラワークにあわせて「空」もスクロールするように設定します。「空」をクリックし、編集ウィンドウ左上にある「キーフレーム」ボタンを選択しましょう。イラストが見切れないよう、動き始めと動き終わりの位置を決定して調整します。
Step3.全体に青みを追加する
「メディア」タブから「サンプルカラー」を選択。「ムーンブルー」を別タイムライン上に追加します。「合成」から描画モードを「オーバーレイ」に変更しましょう。
今回は、実写素材をイラスト風に加工する方法を紹介しました。方法としては、「色彩の調整」「ディティールの追加」「合成」の3ステップです。動画編集ソフト「Filmora」なら、1台ですべての処理が可能。実写をイラスト風に加工すれば、さらに幅広い演出を用いた魅力的な動画が作成できるでしょう。