映像は「色味」によって雰囲気を変える
たとえば「赤」は愛や怒り、危険などを表すことが多く、他の色よりも目立つ色味です。「黄色」は純真さや、不安・狂気などを演出することに使われますし、「青」は悲しさや冷静さを表現することができます。今回は、単純な色彩調整ではなく、ニュートラルな映像に色味を加えることで印象を変えられるテクニックをご紹介します。
Part1. 映画風の色味をつける方法-色を決定づける要素
色を決定づける要素は、大きく3つあります。
1.色温度
色温度は、映像の全体的な印象を変えるものです。暖色系にして温かみのある映像にしたり、寒色系にしてクールな印象にしたりすることができます。
2.コントラスト
コントラストとは、映像の明るい部分と暗い部分の「差」のことです。コントラストの数値を上げればハッキリとした映像になりますし、数値を下げればぼんやりとした映像になります。
3.HSL
HSLは、色相/彩度/輝度の総称です。
色相
色相とは、鮮やかさや暗さとは関係のない「実際の純粋な色」のことです。暖色系であればやわらかな雰囲気になりますし、寒色系であれば寂しげなシーンを演出できます。
彩度
彩度とは色の濃さを表します。彩度を下げていくと、最終的には白黒になります。
輝度
輝度は明るさ=明度とも呼ばれ、色が明るいか暗いかを表すものです。明るければ親しみやすい雰囲気になりますし、暗ければムーディーなシーンなどにピッタリの演出になります。
Part2. かっこいい動画の作り方ー撮影する方法
- カラー補正、トランジション、オーバーレイ、エレメント、字幕、タイトル編集を内蔵する
- 動画カット、分割、回転、トリミング、ミックス、結合などを備える
- 縦横比、色相、明るさ、速度、彩度、コントラストなども調整できる
- ローカル、デバイス、ウェブサイトとDVDの四つの方式で動画を出力できる
- 初心者や専門家にとっても最高のビデオ編集ソフト
- 動画編集をもっと簡単に!
- 動作環境
- CPU:Intel i5以上のマルチコアプロセッサ、2GHzかそれ以上
- GPU::intelHDグラフィックス5000以上またはNVIDAGeForceGTX700以上
- メモリ:4GB以上が必須で、HDや4Kの動画を扱う場合は8GB以上が必要
- ディスク容量:10GB以上の空き容量が必要
【初心者向け】動画に映画風な色味をつける方法
色彩調整する方法
ここではある一つの動画を「温かみのある雰囲気」と「これから何かが起きそうな予感のするサスペンス風」の2パータンの映像に変身させてみます。
温かみのある雰囲気を演出
Step1.Filmoraを起動して、タイムラインに動画をドロップします。
Step2.クリップを右クリック > [色調補正] を選択して [高度色彩補正] 画面を開きます。
Step3.[調整する] タブをクリックして各数値を調整していきます。
ホワイトバランス温かみを出したいので、右側にスライダーを移動して暖色系にします。
色暗めの映像であれば、明るさを上げてコントラストを強くします。
HSL映像の色を鮮やかにすると、より安心感や温かみを演出することができます。たとえばオレンジ系を引き立たせるには、[オレンジの丸] を選択してから彩度や明るさのスライダーを移動して調整します。引き立たせたい色に近いものを選択してから調整するのがポイントです。全体的な彩度を調整するには、[色] の彩度で調整してください。
サスペンス風の演出
Step1.クリップを右クリック > [色調補正] を選択して [高度色彩補正] 画面を開きます。
Step2.[調整する] タブをクリックして各数値を調整していきます。
ホワイトバランス:暗い雰囲気を出したいので、左側にスライダーを移動して寒色系にします。
色:明るさを下げてコントラストを強くします。サスペンス風に仕上げるなら、コントラストは強めがオススメです。
HSL:映像の中にある鮮やかな色の彩度を下げると、落ち着いた雰囲気になります。さきほどと同様に調整したい色を選択してから、彩度や明るさを調整してください。
ビフォー/アフターを確認する方法
色彩調整中にビフォー/アフターを確認するには、[高度色彩補正] 画面の右肩にある [A/B] アイコンを使用します。
並べて比較:映像全体のビフォー/アフターをそれぞれ表示します。
分割比較 – 左/右:1つの映像を左右に分割した状態でビフォー/アフターを確認できます。
分割比較 – 上/下:1つの映像を上下に分割した状態でビフォー/アフターを確認できます。
プリセットとして保存する
ここまでいろいろな色彩調整をしてきましたが、お気に入りの設定内容はプリセットとして保存しておければいつでも流用できるので便利です。[高度色彩補正] 画面の [プリセットとして保存] ボタンをクリックしてわかりやすい名前を付けて保存しておきます。プリセットを使うには、[高度色彩補正] 画面の [プリセット] タブで「カスタム」を選択します。カスタムで保存された一覧が表示されますので、任意のプリセットをクリックすれば映像に適用されます。動画に使用するクリップが複数ある場合にもプリセットがあれば簡単に同じ設定に統一できますね。
同じ映像でも違ったイメージに演出できる色彩調整は、奥が深いテクニックです。ぜひいろいろ試してみてください。もっともっと動画編集が楽しくなるはずです!